はずれスライムのつぶやき

どうでもいいことについて適当に考察していきます

辞典って本当に面白い

ついつい読みこんでしまう辞典紹介シリーズ。

 

今回は、

 

小学館 オックスフォード 英語コロケーション辞典

小学館 オックスフォード 英語コロケーション辞典

 

 

この辞典は、言葉のつながりが学べるもので、

 

試しにsmileをひくと、「ー(に)笑う、ほほえむ」

 

broadly にこやかに

widely おおいに

slightly かすかに

thinly うっすら

brightly 明るく

charmingly 魅力的に

 

といった具合に40種類以上の表現が載っています。

 

似たような日本語の辞典だと、

 

てにをは辞典

てにをは辞典

 

 

ですが。こちらで「笑う」につながる表現をひくと、

 

思わせぶりに

快活に

気楽に

転がらんばかりに

自嘲ぎみに

質朴に

上機嫌に

しょうことなしに

冗談半分に

神経質に

素朴に

だしぬけに

天真爛漫に

投げやりに

卑屈に

ヒステリックに

無遠慮に

不器用に

傍若無人

誇らかに

無造作に

露骨に

意味ありげに

こともなげに

涼しげに

大義そうに

卑しく

からからと

屈託無く

心ゆくまで

他愛なく

だらしなく

はにかんで

ふてぶてしく

人なつこく

悪びれもなく

涙が出るほど

声をたてずに

目を細めて

頬をそめて

鼻をならして

 

どこかで目にした事はあるけど、なかなか日常で使わないような表現だけを拾ってもこんなに載っていて、しかもこれはほんの一部に過ぎない。

 

辞典編集者の言葉に対する意識の差かもしれないが、おそらく日本人にとっての笑いに対する意識の差と言えるのかもしれず、実に興味深い。

 

もちろん、日本語が英語より優れていると言いたいのではなく、ある言葉においてはどこかの国の言語表現が多いというのは、文化の違いであり、僕はそういうものに興味があるのだ。

 

でも、経済的にも時間的にも制約された中で外国に行く事は難しいし、また瞬間移動が可能だとしても会話する時間にも制限はある。

 

そこで、辞典というものから言葉の奥にあるものを感じとる時間が僕にとっては楽しい時の過ごし方になるのだ。

 

もちろん、英語の「笑う」には、smileの他にも

 

laugh  grin giggle chuckle という単語自体に程度の差が内包されているものもあるのだが、

 

久々に改訂された広辞苑

 

広辞苑 第七版(普通版)

広辞苑 第七版(普通版)

 

 「笑う」を引くと、「口を大きく開けて喜びの声をたてる。おかしがって声をたてる」とあり、

 

【DVD-ROM付】オックスフォード現代英英辞典 第9版

【DVD-ROM付】オックスフォード現代英英辞典 第9版

 

 

で、smileを引くと、動詞の説明にはsmileが含まれていて説明になっていないので(逆に広辞苑で「笑い」を引くと「笑うこと」となっていて笑えるが)、その前提となっている名詞の方の説明を引用すると、

 

the expression that you have on your face when you are happy,amused,etc.in which the corners of your mouth turn upwards

 

というように随分と説明の仕方に差があり面白い。個人的には、英英辞典の方が表情の動きを説明していて、より分かりやすいと思う。

 

さらに試しにsmileを

 

リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]

リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]

 

 

で引くと、まぁ予想通り「微笑する」「微笑む」「にっこりする」という訳が現れる。

 

 見やすくて、視覚的に分かりやすい僕のお気に入りの

ルミナス英和辞典 第2版 (函入り)

ルミナス英和辞典 第2版 (函入り)

 

 

で、引いてもやはり同じ。ただ、こちらの辞典でもしかしてと思ってlaughという単語を調べてみると、漫画のような絵で先ほどの他表現の笑いが説明されていたりして面白い。

 

辞典には表情がある。

 

ただ意味を知ればいいだけなら、どんな辞典や辞書でもいいと思う。

 

実際、全ての単語をいちいちこんな風に引き遊ぶ事は無理な話だ。

 

特に情報だけを伝える文章なら意味さえ分かればそれでいいだろう。

 

でも、たまには脇道をゆっくりと散策するような時間があってもいい。

 

そこには言葉の持つ広がりから、自分にとって一生心に残るような出会いがあるかもしれない。

 

素敵な調べに、その言葉を考えた人とつながるような不思議な体験を僕は大切にしたいと思う。時に言葉の持つ力は強く、そしてはかない。