はずれスライムのつぶやき

どうでもいいことについて適当に考察していきます

ついやりたくなってしまう心理

 なかなか面白い本を見つけたのでご紹介。

「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

 

任天堂でゲームの企画をされていた著者がどうやれば人の興味を引くゲームが作れるかを分析するという内容。

 

冒頭ではスーパーマリオがなぜすごいのかについて分析されています。

 

マリオのゴールとは何か?

 

クッパを倒してピーチ姫を救うこと?

 

筆者は違うと否定します。解答を読むとゲームデザインに必要とされるものは何か独自の見解が示されていて、単なるボタンを押すだけのゲームをどうやって人に認知させるのかに感心します。

 

考えてみれば、初代人気ゲーム機であるファミコンは十字ボタンと二つのボタン(最初は四角いゴムボタンで戻りが悪かったけど)という極めてシンプルなコントローラーででしたが、初めてゲームに触れた人にはこんなに簡素なボタン数でもゲームによって使い方が違うためかなりの苦心があったはずです。

 

例えば普段全くゲームをしない人にやってもらうとえっ?こんな事も分からないんだという経験をした事があります。

 

いきなりマリオカートが逆走したり、ロールプレイングゲームを何か他のジャンルのゲームのように錯覚したり。

 

当初は固定画面のゲームばかりでしたが、左右上下の方向に画面が動くようになり、ゲーム情報はますます複雑になっていきました。

 

今のゲームは昔に比べればとんでもない情報量が画面の中にあふれかえっています。そして、ユーザーは10分ほどでそのゲームが面白いのかそうでないかを判断します。

 

娯楽はいくらでもあるので、最初の段階で関心を引かなければ余程の大作や人気シリーズでない限り、我慢して付き合ってはくれません。任天堂のゲームは触っていると心地良さがあり、製作者の配慮が伝わってきます。

 

僕はたまに噛めば噛むほど味わい深いゲームを遊ぶことがありますが、

 

ktfield.hatenadiary.com

 

 

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それはかつての類似ゲームに郷愁を覚えつつ、ゲームの仕組みに興味があるからで、そこまでゲームに関心が無い人は他の物へ興味を移すでしょう。

 

マリオが好きでもルイージは人気が無いように。

 

さて(オチたのか)。

 

ゲームの話なら興味が無いという人へ伝えたいのは、これは単にゲームの話ではないということ。

 

ついついやってしまうゲームというのは、言い換えれば、ついつい見てしまう動画やついつい食べてしまうお菓子など、人をひきつける物には何か仕掛けがあるわけで、

 

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などでもご紹介したように購買意欲や訴求効果という観点から読んでみると勉強になるところが多い。どんなに優れた参考書でも読みづらければ売れません。内容が良ければロングセラーになる事はあると思いますが、僕のブログのようにその両方ともが劣る場合はすでに実証済みです。

 

さて。

 

本の中でも紹介されている有名なアフォーダンスという考え方は、以前読んだ

 

Design Rule Index 要点で学ぶ、デザインの法則150

Design Rule Index 要点で学ぶ、デザインの法則150

 

 

 

[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61

[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61

 

 

 

にもありましたが、いわゆるUIの話で、アプリを作る際にどこにボタンを配置するかという画面デザインの話でもあるわけです。

 

 

本気ではじめるiPhoneアプリ作り Xcode 10.x対応 (Informatics&IDEA)
 

 

こういった本で勉強していると、いかにデザインというのは大事かというのが分かります。

 

iPadスマホがなぜここまで浸透したのかと言えば、直感的に分かりやすい操作性というのが大きな要因だと思います。

 

ジョブスさんがこだわった徹底的にシンプルな一つのボタン。

 

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擬似的なコントローラーが画面に表示されることで複雑な操作もできるようになってきましたが、あの小さな画面で驚くほど複雑な操作を実現している裏には日々開発者の工夫があるのは間違いありません。

 

例えば、最近人気の文具に

 

ミドリ リングメモ パッと 黒
 

 

がありますが、これはメモの左側面のみ糊付けがされています。この商品は日本文具大賞2019機能部門優秀大賞を受賞しているのですが、

 

それがどうスゴイのかと言うと、メモを書いたらその糊付けを剥がすことで、次に開いた時に続きのページがすぐに見つかるというアイデアなのです。

 

電気製品にはアイデアが詰まっている事が多いですが、例えば二度押しで誤作動を防ぐボタンは触ってみて(気づいてみて)初めて実感します。

 

今使っているレコーダーは慣れないせいもあって個人的にちょっとしたストレスを感じるのですが、以前のレコーダーで便利だなと思った機能を挙げると、10秒戻り30秒送りボタンがあります。

 

これは録画した放送を見る際に使うのですが、最初はなんで30秒戻りにしないのか不思議でした。

 

30秒送りというのは間違い無くCMを飛ばす機能です。

 

だったらもし飛ばしすぎた時は30秒戻せばいいじゃないかと思ったのですが、実際に使ってみると、CMを飛ばしたい(言い換えれば早く次のシーンを見たい)という焦燥に駆られていると、たった30秒の戻し時間でさえも無駄な時間に思えるもので、

 

さらに瞬間的に飛ばしボタンを押していても多少のズレというものは生じるので、飛ばし過ぎた時にちょっとだけ戻したいという気持ちが10秒戻しで解消されるわけです。

 

そう考えると絶妙な時間設定なわけで、当初は触る度に感心していましたが、意識は薄れ、こうしてその機能が無い機械を触ると別れた恋人に思いを馳せるわけです。

 

さて。

 

イデアと言えば、古典的名著 

アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

 

 

が有名ですが、僕が読んでいる本は、

 

ひらめきクリック! 大全

ひらめきクリック! 大全

 

 

「ひらめく人」の思考のコツ大全 (できる大人の大全シリーズ)

「ひらめく人」の思考のコツ大全 (できる大人の大全シリーズ)

 

 

ひらめきスイッチ大全

ひらめきスイッチ大全

 

 

 で、これらの本は見開き1ページでいろんなアイデアが紹介されているのですが、単に雑学レベルで終わらせたくないなら、

 

圧倒的な分類例による

アイデア大全

アイデア大全

 

 

がおすすめです。

 

最近では、

 

アイデア大全――創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール (<CD>)

アイデア大全――創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール ()

 

 

オーディオブック版にハマってまして、シャッフルで聞くと世界中のアイデアがランダムに聞けるので有機的につながる事で新たな刺激を受けているような気がします。

 

何かの拍子にすぐ調べられるように電子書籍も持っていますが、こういう本はやはり本の形態がいいですね。

 

本屋さんでズラッと書棚に並んでいる本は、この先VRで再現されて電子書籍もまるで本屋で本を探すような時代が来るのでしょうが、

 

先日、僕の前を歩いているおじさんが本棚から落ちている本をキレイに棚に納めている光景を見て、本が好きな人なんだろうなとちょっとほんわかした気持ちになりました。

 

本が好きな人が本屋を支えていて、そういう人が今日もどこかの本棚の前で読みふけっているんだと思うとエモいです。