安物買いの銭失い
誰が考えたのか分からないことわざシリーズを試してみた。
うん、試した。
結果的に。
あー。
そもそもの発端は、レンジが火を吹いたからである。
いろんな発言をして、人から吹いたと言われると嬉しいけれど、リアル炎上は嫌である。
いつものようにレンジに食品を入れ、鼻歌まじりにボタンを押して、食事の用意をしていると魚を焼いたような煙臭さが部屋中にあふれてきた。
何が起きたかと慌てて確認すると、
レンジ内の上部から炎が出ているのが見える。
恐ろしい。
ああ、レンジを使う前にタロットで占えば良かった。
きっと悪いカードが災いを知らせてくれたに違いない。
幸い電源を切ると炎は塩をかけたナメクジのように縮んでいった。もちろん僕の肝も縮んだ。
さて、困った時はアマゾンである。
アマゾンというのは、
アマゾン熱帯雨林(アマゾンねったいうりん、英: Amazon Rainforest、西: Selva Amazónica、葡: Floresta Amazônica)、南アメリカ大陸アマゾン川流域に大きく広がる、世界最大面積を誇る熱帯雨林である。
もちろんWikipediaからの引用である。
そして僕の心にもこれから大雨が降ることになるのである。
続く。
ウソ。
さて、とにかくAmazonが一番手軽に頼めるわいと思った僕は、いろいろと商品検索を始めたわけである。
別に多機能なんていらない。
乾燥機付きとか4Kとか、初回お試しに限り半額とか、そんなのはいらない。いや半額ならいるか。
ともかく、一番安くて有名なメーカーの製品をポチッた。
早いもので、2日後にはレンジが届いた。さすがAmazon。便利だ。
そこで僕は鼻歌まじりで設置して、鼻歌まじりで開始ボタンを押した。ふんふふん、と。
いきなりタイマー表示画面が60と点滅する。
いやいや60分?も加熱する人がいるのか?
あるいは60秒?では短すぎる。
そもそもマニュアルを見るほど複雑なレンジでもないので、ツマミをいじくり回す。
表示が変わらない。
マニュアルを見る。
コードをつないでツマミを回すだけの説明。
確かにそれだけである。
しかし、いくらツマミを回しても表示画面は60のまま。
そう、すでに気づいた人もいるかもしれないが、真実は一つ。
続く。
はい、ウソです。すみません。
正解はこれ。
あー、やってもた。
つまり、60とは60Hzの表示だったのである。親切だけど、いるのかその機能。そんな間違いがあるから想定してるのか、レンジさんよ。
いくら僕が天然記念物とはいえ、西日本と東日本の周波数が違う事くらいは知っている。
だから初めは周波数を意識して検索していたのだが、いろいろ検索して検討しているうちに、やっぱりアレがいいな、安いしねと、こねくり回しているうちに忘れていたのである。
Amazonで大損である。
やっぱりタロットに相談すべきであった。
これからはトイレに行くにもお風呂に入るにもファンデーションを塗るにもタロットで占ってからにしよう。何事も下地が大事だ。韻を踏んでみた。
失敗は成功のもととも言うし、Amazonの返品方法を学んだだけでも勉強としよう。当たり前だけど、返品って結構面倒くさいな。
開封してしまったので、返金額は大幅に減りそうだし、こちらのミスだから送料もかかる。
もし、これが大型量販店なら店員側にも非があるかもしれないが、ネットならではのやるせない失敗。
いや、僕だけの失敗。
AIが発達し、地域によって注意表示が出るといいのにと思ったが、それもなかなか難しいのだろう。
高い商品にはそもそも周波数を気にしないで使える物も多いと分かった。
この経験を活かすように考えてみよう。何かの予兆かもしれない。
油断大敵。
以上、試してみた。
いや、試された、でした。