はずれスライムのつぶやき

どうでもいいことについて適当に考察していきます

君たちはどう生きるかーそして僕は

 

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

 

 

昨今のブームは言うまでもなく、だからと言って毛嫌いするのはどうかと読んでみた。

 

うん、素敵だ。

 

だが、遅すぎた。

 

まだ遅くないかもしれないけど。

 

でも、やっぱりこれは若いー高校生に読んでほしい作品だ。

 

戦争に突入する時代背景を考えるとさらにこの作品で伝えたいメッセージは光る。

 

古典的名作と呼ばれる物は古臭いと嫌煙してしまうのだけど、最近はやっぱり凄い物はスゴイと思う。

 

 

プロの中の天才

 

聖の青春 (講談社文庫)

聖の青春 (講談社文庫)

 

 

かつて羽生善治をも恐れた天才棋士がいた。これは29才という若さで死んだ棋士のお話。

 

映画化もされたので、

 

聖の青春 [Blu-ray]

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記憶に新しいかもしれない。

 

読んでみると、重病者とは思えない強烈なキャラクター。将棋バカと呼んでもいい愛すべき人。

 

でも、これは天才の話なので、

 

 

将棋の子 (講談社文庫)

将棋の子 (講談社文庫)

 

 

なまじ将棋の才能がある人が奨励会の年齢制限ゆえに、プロを諦めねばならない(プロから見れば)凡人の悲哀な人生の実例を読むと、天才ゆえのプレッシャーはあるとはいえ、才能に恵まれた人は幸せだと思える。

 

ただ、その道を歩んでみないと天才の凄さは分からず、また天才を肌で感じ取れるのは究めた者だけに許された特権のように思います。

 

 

アマデウス ディレクターズカット [Blu-ray]

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サリエリモーツァルトに抱く嫉妬心。

 

 

ガラスの仮面 コミック 1-49巻 セット (花とゆめCOMICS)
 

 姫川亜弓がマヤへ抱く嫉妬心。

 

 

 

本阿弥さやか嬢がヤワラちゃんに抱く嫉妬心。

 

いずれも天才に近い凡人ゆえに感じる苦悩であり、月影先生や猪熊滋悟郎といった天才とは見えている世界が違うわけです。

 

 

 

羽生結弦さんの凄さは素人の僕には分かりませんが、確かに他の選手とは表現力が違うし、全日本の大会などで日本人だけの戦いを見ているとレベルというか次元の違いが感じられます。

 

高山真さんが書かれたこの本はそんな素人でも分かるような選手の能力を見事に文章で表現されています。

 

できれば実際の映像で解説してほしいくらい何がどうすごいのかが分かる素敵な文章です。

 

凡人の僕は才能には憧れますが、中途半端な才能だったら無くて良かったのかもと妙に納得しています。

 

もっとも天才も努力しているのですけど。

 

羽生結弦 王者のメソッド (文春文庫)

羽生結弦 王者のメソッド (文春文庫)

 

 

 

 

 

 

ウレタンよりすごいのは

たまたまテレビで見たのですが、ウレタンの技術を応用して救助ボードを販売している会社がありました。

 

これの何がすごいかと言えば、普通のゴムボードはどこかに穴があくと当然空気が抜けてしぼみますが、このウレタン素材だと穴があくだけで浮力にはほとんど影響しません。

 

また衝撃にも当たり前ですが強い。

 

さらにスクリューを使用せず、下から吸い上げた水を後ろに吐き出して前へ進むため、ガレキに絡まる事もなく、すでに書いたように障害物への抵抗が少なく、人を引き上げる時に水が1トン入っても浮くそうです。

 

これを発明したきっかけは、東日本大震災。屋上に登っていても不幸にも高波で助からなかった人を見た時に、もし浮いていれば生存率も上がると思ったとの事。

 

ところが、最初はウレタンが水で膨張してもシワが多く、ボードとしては引っかかる箇所が多いため、研究を重ね、独自の比率でほとんどシワの無い物になったそうです。

 

でも、何よりすごいのはその技術ではなくて、技術の転用の仕方ですよね。

 

さらに現在は屋根にウレタンを注入する事で、災害時に屋根をボード代わりにする物を試作しているそうです。

 

実に素晴らしい。

 

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星の王子さま

読んでいるようで意外に読んでいないシリーズ。

 

星の王子さま (新潮文庫)

星の王子さま (新潮文庫)

 

 

書店に行けば、必ず目にした事のある本。

 

星の王子さまをおじさまが読んでみた。

 

児童文学と思ってこれまで読まなかったのだが、大人向けの寓話だというのでおじさまが読んでみた。くどい。

 

うむ、わからん。

 

世界的ベストセラーだの、聖書の次に読まれているのだのと言われると頭の中がノイズまみれで、これは何をたとえているのだろうとハテナマークが飛び交う。

 

僕は汚れてしまった。

 

でも、

 

「地球の人たちって」と王子さまが言った。「ひとつの庭園に、五千もバラを植えてるよ・・・・・それなのに、さがしているものを見つけられない・・・・・」

「見つけられないね」僕は答えた・・・・

「だけどそれは、たった一輪のバラや、ほんの少しの水のなかに、あるのかもしれないよね・・・・・」

「ほんとうだね」僕は答えた。

王子さまは言いたした。

「でも目では見えないんだ。心でさがさなくちゃ」

 

というシーンは哲学的で読む前から知っていたと思う。

 

またいつかおじいさまになったら読もうと思いますのぢゃ。

 

 

モニタリングは面白い

 

 抜群に面白い本。以前紹介したメンタリストDaiGoさんの動画が好きな人なら確実にハマるでしょう。

 

たとえば、次のチラシを見てあなたならどれを選択しますか?

 

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1・2・3の選択肢のうち、2を選ぶ人はいるでしょうか?

 

大学院生100人に選ばせた結果はこちら、

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なるほどって感じですよね。

 

では、これが次のような二択ならどうでしょう?と本書は問いかける。

 

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つまり、先ほど選ばれなかった2の選択肢を排除したパターンです。

 

結果は、

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なんと最初の三択では少なかった一番目の選択をする人が増えたという結果に。

 

これが、相対性です。

 

我々は常に何かの基準を元に選択をしているという例。

 

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二つの黒い円は同じ大きさですが、周りに置かれている対象物が違う物へと錯覚させる。

 

こういった実験が次から次へと語られていきます。

 

大抵この手の本は一つ面白い事があれば、後はそれの惰性で最初に大きなテーマで心をわしづかみにして後はその例証というのが多いのですが、この本は全く飽きさせない。

 

例えば、アンカリングという章では、最初に見た価格を元に相場を決めてしまう刷り込み現象が語られます。パワーストーンなんてただの石ですが、誰かが値段を決めて受け入れられると、もうそれはただの石ではなくなるわけです。

 

あるいは、無料キャンペーン。

 

無料でもらえるなら、もらわなければ損をするという心理が、長時間の行列を作る。

 

また、ある章では、楽しみでやっていた事が報酬をもらったとたん楽しくなくなるのはなぜかと考察する。

 

無料でもらえる物だと他者を意識して1個だけにしておこうとするが、それがほんの少し有料になるだけで買い占めをしてしまう心理。

 

会社の備品をくすねる事はできても、それがお金だと自制する心など、面白心理実験の連続です。

 

でも、これは裏を返せば購買意欲をあおるにはどうすればいいかという行動経済学でもあるわけで実に興味深い本であり、たんなる雑学としても楽しめます。

 

人間は不合理な行動を取るものですね。だって、

 

にんげんだもの

にんげんだもの

 

 

突然言葉が奪われたら・・・

 

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)

 

 

著者は女性神経解剖学者。37歳の時、脳卒中に襲われる。

 

この本が面白いのは、ただの闘病記ではない点。

 

学者ならではの自己分析で、内側から自分の脳の状態を語る。

 

なぜ語れるかと言えば、それこそ奇跡だが手術により回復したからだ。

 

不謹慎かもしれないが、これが非常に興味深くてページをめくるのさえもどかしかった。

 

言語を操る左脳が閉ざされ、脳内では助けを呼ぼうといろんな手段を試みるが、いざ電話がつながっても思った事がうめき声にしかならない。

 

そんな自分の最悪な状況をも冷静に分析するもう一人の自分。

 

もしかしたら、二度と今の感覚を語る事はできず、深い闇に落ちるかもしれない不安な心境が手に取るように分かる文章。

 

必然的に思考を支配する右脳マインド。感覚やイメージで外界とのつながりを持ち始め、脳内の配線がつなぎ直され、まるで別人のようになる自分。

 

暗い闘病記ではなく、生きる勇気さえもらえそうな不思議な本でした。

 

脳はまだまだ未知の分野なのですね。

 

脳のなかの幽霊 (角川文庫)

脳のなかの幽霊 (角川文庫)

 

 

 

海馬―脳は疲れない (新潮文庫)

海馬―脳は疲れない (新潮文庫)

 

 

年収90万で?

 

年収90万円で東京ハッピーライフ

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20代で隠居 週休5日の快適生活

20代で隠居 週休5日の快適生活

 

年収90万で好きなだけ本を読み、暮らしているという。

 

そりゃ気になりますよね。

 

種明かしをすると、週に2日ほどバイトして、税金は払わず、家賃は激安物件、ネットは公共wifi、図書館を利用し、食にはこだわらず、とにかく徹底的に節約して自分一人の生活を中心に据えるというもの。

 

まぁ、憧れはするけれども、やはりどこか社会に貢献すべきだと思うので真似はできない。

 

ただ、ここまで突き抜けた生活をする事で本を出し、結果的にそれで生活ができているので、自己プロデュースに長けているし、この人はこれでアリなのだと思う。

 

出版する事で、読者のみならず、仕事に携わった人々に還元もしている。

 

一方で、この考え方を真似する人の方が怖いなと思ってしまう。

 

社会と自分の距離感を保っているかが大事だ。

 

よく自給自足の田舎生活を特集する番組があるけど、その裏で支えている人がいる事を忘れてはいけない。

 

それでも誰の世話にもならず生きてる人がいるなら、それはそれで尊重するが、そういう人はメディアには出ないだろう。

 

なるべく働きたくない人のためのお金の話

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