はずれスライムのつぶやき

どうでもいいことについて適当に考察していきます

叙述ミステリーとは

最近のブログを読み返してみて、まぁ何と高尚な内容のオンパレードかと改めて自分の才能にご満悦な僕です。

 

だって、昭和世代のおじさんがこのドラマ面白いとか、タロットカードがかわいいとか、深キョンやばいとかナンノ最高!とか、おしげもなくそんな恥ずかしい事を小学生でも書けるような文章で堂々と公開するなんて、普通の神経ではできないですよ。

 

すごいな、僕。

 

さてさて、冗談は顔だけにして、今回は久しぶりに真面目な話を書きたいと思う。

 

叙述トリックというものをみなさんはご存知か?

 

上から目線ですね。

 

ご存知ではいらっしゃらないでございますですか?

 

知ってる?

 

よろしい、そういう人は即刻この場から立ち去っておしまい!

 

ここは優しい人だけがただの暇つぶし目的で読む田舎の無人駅の待合室なんだから。

 

電車は当分来ませんよ。

 

さて。

 

それは何かと言えば、要は読者の思い込みを利用した、設定でだますミステリーの一分野です。

 

たとえば、このブログを実は若い女性が書いてるのに、それを隠しておやじと思い込ませ、ミステリーにからめるような感じです。

 

実際は、イケメンでモテ男の僕なんですが、隠しても隠しきれない魅力が漏れ出てしまうような。

 

失禁する初老のような。

 

何の話だか。

 

さて。

 

この分野で有名な作品と言えば、最近テレビでも三谷幸喜さんが脚色してやってた

 

 

アクロイド殺し (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-45)

アクロイド殺し (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-45)

 

 

 

アガサクリスティの代表作の一つ。そのあまりに斬新なトリックも今では模倣されすぎて古典中の古典。

 

叙述ミステリーの難しさは、だましうちにありますから、タネがばれてるマジックに驚けないのと同様に、二度目は使えない苦しさがあります。

 

つまり、叙述ミステリーと帯にかかれた作品はすでにネタバレしているので、書き手に相当な力量が無ければ、その世界に入り込めず、意外性も無いのです。

 

先達の偉大な功績はこの井戸水を汲み尽くし、とっくの昔に枯渇しています。

 

でも、それでもなおその井戸を工事してさらに深く掘ろうとする人が僕は好きです。

 

それは誰かと言えば、

 

倒錯のロンド (講談社文庫)

倒錯のロンド (講談社文庫)

 

 

僕にとっては圧倒的に折原一さんです。

 

知っている人は知っている、知らない人は知らない。

 

でも知る人ぞ知る。

 

もし、叙述ミステリーに興味がある人は一度読んでほしいです。

 

ですが、これには苦い経験もありまして、その昔ある学生バイトの女性に何かオススメのミステリーは無いですか?と聞かれ、

 

僕にしてみればミステリーという定義づけさえ難しいのですが、折原さんの中でも一番無難でかつ面白いこちらのデビュー作を貸したところ、

 

おそらくあまりにも思ったものと違っていて、かなり憤慨の様子で返却された経験がありました。

 

その気持ちも分かります。それくらいこの分野には好き嫌いがはっきり出ます。

 

それはどういう事かもう少し経験談で説明するなら、

 

僕は恐竜が大好きなんです。

 

もちろんこちらのシリーズは全部何回も見ています。

 

ジュラシック・パーク (吹替版)
 

 

原作の本が一番のオススメですが、当時のCGやパペット技術であれほどの恐竜を作り出せたことは、やはり映画史、いや恐竜業界(何それ)にも衝撃でした。

 

当時、学生であった僕は、今のような時間交代制の映画館ではない劇場で、朝から3回続けて観たくらい興奮しながら食い入るように画面を見つめたものです。

 

そんな恐竜好きの僕が、期待に胸を膨らませて一切の情報を遮断して観に行ったのがこちら、

 

ダイナソー(吹替版)

ダイナソー(吹替版)

 

 

あのディズニーが全編CGで恐竜を描いた作品と知り、いつものように幕が開〜きぃ、

 

ワクワクドキドキして見ていたら、

 

ものすごい精密な皮膚感の恐竜が登場。

 

これこれ、これやねん!あーもうたまらん。これからどんな恐怖体験が待ち受けてるのかしらん。キラキラ。

 

そしたらよ、急にデカイ恐竜が小さい恐竜と会話を始めたんで僕はあまりの衝撃に腰を抜かしてしまいました。いや、抜かしてないけど。

 

ええーーー

 

恐竜しゃべってるやん、しかも流暢な英語で、ネイティブ並みに。

 

そう、これはハートフルな恐竜親子のお話だったのです。

 

んな、アホな。

 

激しく後悔。

 

もうお話なんて全然頭に入ってこない。

 

お母さん恐竜が坊や恐竜に話せば話すほど、これじゃないんだよ感が増幅していきました。

 

これって僕からすれば叙述トリックに出会ったようなもんでした。この時の失望感に似たものをバイトさんは感じ、怒りの矛先を向けたのでしょうw

 

ちょっとは調べて行けよ!

 

そんな自分が恥ずかしい。

 

恥ずかしいと言えば、女性車両に間違って乗ってしまった時の男性の心理は女性には決して分からないと思います。

 

飛び込み乗車はおやめくださいが頭の中で違う意味で反芻されるあのいたたまれなさ。

 

おや、女性が多い。

 

もしや。

 

これは。

 

やっちまったなー。

 

一駅が異常に長い。

 

なるべく内心の動揺を悟られぬように、と言って突き刺さっているであろう視線が痛くてたまらない。

 

女装してくれば良かったとさえ思うような苛まれる苦悩。

 

いろんな気持ちが交錯し、一刻も早く車両を移りたいけど、全く気づいてない風を装いドアにもたれかかり、目を閉じる自分。

 

そう言えば、ジムのプールから上がって更衣室に戻った時、慣れてなくて女性更衣室に一瞬間違って入った事もあった。幸い、空いていたけれど、むしろそれが逆に錯覚してまう原因でもあったけど、ちらっと女性の姿が見え、慌てて出たから良かったものの今でも時々、ゾクっとする。

 

またある時は、お腹が痛くなり、知らない駅で個室トイレのドアを閉めた瞬間、おばさんの姿が見えて、あーここは女性用のお手洗いでございますですねと瞬間で悟りつつ、もう儀式を始めるしかない状態で、ええいままよとそれは始まり、すっきりとした気持ちの後の恐怖のドア。

 

バイオハザード以上にあの扉を開けるのは、怖かった。

 

誰もいないという気配をさぐりながら、もしかしたら先ほどのおばさまが通報して、駅員が待ち構えているかもしれないという恐怖。

 

リアルそれでも僕はやってない〜緊急避難から生まれた冤罪

 

というタイトルができそうな恐怖体験。

 

実際は、うまく脱出できたから今があるのですが、つくづく女性用お手洗いを利用する時は入念な女装をしなければと心に誓った経験でした。

 

年配の女性は男性トイレに入ってもそんなに拒絶されないのに、逆はなぜこんなに差別されるのか理不尽ですよね(問題変態発言)

 

どーでもいいけど、ええいままよって古文の訳文みたいだな。

 

元来、あわてんぼうの僕は、いろいろと漫画みたいな事をしでかしちゃうのですが、本当にしゃれにならない事もあるので、気をつけないといけません。

 

さて。

 

折原一さんの話でしたね。ホントに真面目なブログですよね、いや〜実にタメになるブログだなぁ。ダメになりそうw

 

異人たちの館 (講談社文庫)

異人たちの館 (講談社文庫)

 
愛読者 ファンレター

愛読者 ファンレター

 

 

折原ワールドにはまった人はもう全部読んで欲しいのですが、

 

その魅力を伝えるなら、開けても開けても出てくるマトリョーシカ。そして狂気の登場人物。ちょっと下品な変態。そして、笑い。

 

キーワードを羅列するとそんな感じです。

 

叙述という構成上、マンネリ感は避けられないのですが、読めば読むほど、まだこんな手がありますかとか、そう行くしかないですよねとか。

 

ある種のファンブック的な楽しみが詰まっている作品が多いです。

 

調理が難しい分野に果敢に(執拗にかな)挑戦する折原さんが僕は大好きです。