AIにはできないタロットリーディング
すっかり年が明けてしまった。
ブログもちゃんとしたことを書くのは久しぶりだ。
正月は何をしていたかと言うと、タロットの勉強に二日分くらいの時間は費やしていたと思う。
タロットカード78枚一通りは面談が終わり、まるで生徒の名前と顔が一致した担任のような気持ちだ。生徒の裏の顔を含めると156人分か。
なぜそれほどまでにハマりこんだかと言えば、最近はタロットの本ばかり読んでいるので、そろそろ普通の本も読みたいし、早く片手にタロット本を持ちながら占える環境を整えたかったのだ。
さて新年にあたり、現時点での僕のタロットに対する印象をまとめておこう。
まずタロットというのは大アルカナ22枚と小アルカナ56枚に分かれる。
アルカナとはラテン語で『隠されたもの」という意味らしい。できればこのブログも隠されたものとして扱うのもあるかなと思う。
今年も温度はどんどん下げていく。温暖化反対。
さて、タロットを学ぶ際、もっともイメージされやすいのは、大アルカナだろう。
愚者、皇帝、吊るされた男、悪魔、隠者、太陽などタロットと聞いて何らかのカードをイメージする時、大抵の人が思い浮かべるカードと言えば22枚のうちのどれかであるかな。
もういい。
そして、タロットには正位置と逆位置があるというのも多くの人が知ってるかな。
さて、僕が勉強をして意外だと思ったのは、逆位置は必ずしも正位置の逆の意味になるのではないということだ。
例えば、「星」のカードと言えば、星がきらきらしているイメージから希望、理想、ひらめき、チャンスなど明るいイメージが浮かびやすい。
そして、それが逆さまになって出てくれば、失望や悲観、先が見えないというようなイメージになることも分かりやすい。
しかし、911をイメージさせてしまう「塔」の場合、そのイメージは予期せぬ災難や破壊という暗いイメージが浮かぶのはいかにもだが、これが逆位置になっても小さな災難やじわじわとくる崩壊という意味であって、好転するまでには至らないのだ。
もちろん、イメージの読み方は読み手しだいであるし、占う相手や環境によっても異なる。だからコンピューターのような予め決められた占いの文章をそのまま提示されても、場合によってはしっくり来ないことはよくある話。
ただ、カードの核となるイメージは一応決まっている。
どんな勉強でもそうだと思うが、基礎があっての応用。ピカソだってデッサンはめちゃめちゃうまい。
むしろ、いろんな下地があってこそのいろんな表現に至ったわけで、独自のカード解釈は経験の裏打ちがなければ相手には伝わらないだろう。
逆位置を取らない人や逆位置は正位置の意味合いを弱めたものという人もいるくらいだ。
でも、死神が現れる「死」というカードは全く勉強したことがない人にとっては不吉なカードとしか見えないだろう。
しかし、このカードは、むしろ今の状態からの変化や再生を意味し、逆位置になった方が、同じことの繰り返しや踏ん切りがつかないという悪いイメージにとられやすいものだ。
ところで初心者がタロットを学ぶにはどのカードを使ったらいいのか?
これはライダー版かマルセイユ版で一致することと思う。
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マルセイユ版はなかなかカラフルで味わい深い。しかも16世紀のヨーロッパで広まったため歴史も古い。タロットは元々貴族の遊戯用カードとして、トランプと同じルーツを持つものだが、トランプより少し数札に当たるものが多い。
ただ、このマルセイユ版の難解さは小アルカナにある。22枚の大アルカナは絵柄があるものの、ヌーメラルカードと言われるコート(宮廷)カードの人物、ペイジ、ナイト、クイーン、キング以外の1〜10にはスートと呼ばれる、ワンド(棒)、カップ(杯)、ソード(剣)、ペンタクル(金貨)の柄がその数の分だけ描かれているだけで、絵が無い分、初心者にはカードから受けるイメージが皆無で使いにくい。
そこで19世紀に入り、黄金の夜明け団の一員であるアーサー・エドワード・ウェイトが新たな解釈のもと、画家のパメラ・コールマン・スミスに数札の絵柄を追加依頼し、一新。ライダー社から出版されたのがいわゆるライダー版だ。
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ここでマルセイユ版との大きな違いがもう一つある。
それは「正義」と「力」の順番が違うというもの。これは、魔術結社である「黄金の夜明け団」(なんかこう書くとどうしてもライダーから悪の秘密結社を想像してしまう)が、魔術哲学を構築するためにユダヤ教神秘主義における「カバラの宇宙図」である生命の樹にあてはめて、獅子座=力、天秤座=正義の並び順にしたためらしい。
この辺りはいろんな本がある中でコンパクトにまとまった新書
が分かりやすく解説してくれている。
ライダー版は全ての札に絵があるため、イメージが湧きやすくいろんなタロットのテキストでも解説に使われているので、初心者なら避けて通れないデッキだろう。
いろんなタロットの元になっている図案としても、好きなカードを選ぶ際の練習用として最適だ。
ところで、初心者がタロットに飛びついて最初につまづくのは78枚というカードの多さである。
そこで、大抵は22枚の大アルカナの正位置のみに絞って、キーワードの載っているテキストを購入し、出てきたカードを(逆さまの場合は正位置に戻して)テキスト片手に占うことになる。
実は、これだけでもそれなりに楽しめるのがタロットの気軽さ。
たった22枚と言えど、1枚だけならともかく、何枚か重ねて解釈するだけでもそれなりに学ぶことはある。
慣れてきたら、逆位置も含めて44枚で占えば解釈に幅も生まれる。
僕の場合は早く全体像を捉えたかったので78枚に逆位置も含めて156枚の面通しを行なったが、そこまで本格的にしなくても手軽に占いを楽しむのもいいと思う。
ただ、小アルカナの方がより具体的なイメージのカードが多く、言わば大アルカナのサポートカードという側面から一度はざっと見ておいた方がより楽しくなるのではと今は思っている。
そもそもタロット占いと言えば、「占い」という印象からサイキック能力的なものが必要であるように思い、胡散臭さがあったのだが、僕の場合はカードゲーム感覚なので、自分が普段ぼんやりと考えていることがカードを見ることでピントが合うような感覚になり、何だか楽しい。
このブログもタイトルが決まらないとなかなか書くことが浮かばないのだが、タロット占いは、タイトルが決まると自然にそれに寄せた内容を思いつくような感覚と似ている。
そこでタイトルの内容に言及すると、タロットはAIにはなかなか難しいものだと思う。
それは先ほど書いたように相手は人間であり、用意された回答を読まされてもそれこそピントが合わない。
カード1枚の抽象的な解釈が何枚(これをスプレッドという)も並べると、全体から醸し出される空気感は占い師の経験に左右される。
強引にたとえるなら、10枚のカードで占ったとしてプラスのイメージを持つカードが多いかマイナスのカードが多いかでも印象は異なる。
また、各カードには相互に強め合うカードもあれば、逆もある。その組み合わせは無限大。仮に全ての組み合わせに、仕事運、恋愛運、金銭運、健康運、今日の運勢などよくある質問への回答を用意したとしても、朝のテレビの占いのように何だかよく分からないなという印象は拭えない。
そんな時、対面に占い師がいれば、ろくろの中から気に入った器を取り出すように心にすんなり入るような解釈をしてくれるに違いない。あるいは、自分で占うのと同様に、後で自分の方からその解釈へ歩み寄るような経験をするかもしれない。
カードの中には、ライダー版に忠実ながらかわいい絵柄の
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マカロンタロットで学ぶタロット占い (ミニタロットカード78枚フルセット付き)
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もあるし、さらに新たな解釈を加えた
もある。いずれも所有しているが、どれもそれぞれに良さがあって悪くはない。
ライダー版の地味さがあまり好きになれない人なら、最初のデッキとして使っても大きな誤解は生まれにくいと思う。
実際に使ってみてキーワードがたくさん載っている本と言えば、
もなかなかのおすすめだが、初心者のつまづきに対して配慮されている本と言えば、
各カードのまとめ方もうまくカラーで他の本を読む際のカード一覧としても使いやすい。最初の本ならこちらの方が僕には合っていた。
残念なのは、せっかくkindle版があるのに、各カードへのリンク機能がない、ただのスキャンされた電子本であるため、初心者が占い片手に辞書的に使えない。これだけが惜しい。書籍は一般的な参考書のサイズなので、せめて新書サイズなら携帯用として使いたかった。
では、現在の僕のバイブルはと言えば、
- 作者: レイチェル・ポラック,鏡リュウジ,現代タロット研究会
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/12/07
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そのまんまw
この本のカードの解説は有名な占い師だけあって、実に想像力に富んでいて読んでいて楽しい。ただし、通常のキーワード解釈から見るとかなり飛躍しており、初心者卒業レベル。さらに新書版であるため携帯しやすい。
そこで、僕はいろんな本からキーワードだけをこの本に書き込み、初心者用でありながら、今後もずっと使っていけるタロット勉強ノートとして使っている。
同じ著者の有名な本と言えば、
も持っているが、こちらは450ページほどの長編。
近々、これの新版が出るらしい。
洋書なので、翻訳はいつになるか不明。
カードの解釈を深めたいけど、もうちょっと短めの本をという方には、
鏡リュウジの実践タロット・リーディング もっと深く占うための78枚
- 作者: 鏡リュウジ
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2017/12/20
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鏡リュウジさんと言えば、占い好きの女性ファンには結構有名なようだが、文章は丁寧で読みやすい。ルックスは中村倫也にかぶるが。
現在のところ、独学のリーディングの手引きとしては、
ラーニング・ザ・タロット―タロット・マスターになるための18のレッスン
- 作者: ジョアン・バニング,伊泉龍一
- 出版社/メーカー: 駒草出版
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を使っている。こちらも約400ページもあるが、カードの解釈に各カードの関連するカードが掲載され、小アルカナも含め解説が多い。
タロット本を読み比べていると、占い日記をすすめているものがほとんどなので、僕も日記をつけることにした。
ただ毎日たくさんのカードで占うのは時間的にも心理的にも負担が大きいので、日記に関してはカードの勉強も兼ねて最低2枚で占おうと思う。
2枚というのは鏡リュウジさんが勧めているスプレッドでもあるが、いわゆるオラクルカードのように1枚だけ引いて占うとカードに触れる機会も少ない。
かといって、何枚もはしんどい。
またカードが多くなれば関連するカードとの読み方も必要になる。
そこで、最低2枚読めば、触れる機会と関連するカード読みが増え、少ない枚数ゆえに続けられるのではと考えた。
もちろん、時間があればいろんな枚数で占うつもりはある。結局、カードに触れれば触れるほどカードへの理解と経験は深まる。
ただ一方で、占いすぎるのもどうかと思う。
別に職業として占いを勉強しているわけではない。タロットの解釈には人生経験が反映されるようにも思う。性急に知識を詰め込むような資格試験でもないし、ただの趣味の一つとしてゆっくりと楽しみたい。
タロットをするにあたって悩みがあるとすれば、それは場所が必要ということだ。
中でもカードをまぜるためにテーブルが必要である事は大きな問題の一つ。アプリの中にはカードを擬似的に扱えるものもあると思うが、何だかそれでは味気ない。
最近出た本でなるほどと思ったのは、
著者はあのよゐこの濱口さんの弟だ。
この本はよくある初心者向きのタロット解説をタレントの力添えで出したような印象を受けるが、中を見ると78枚の猫をモチーフとしたオリジナルタロットカードの正逆位置がランダムに1ページずつに配置され、キーワードと仕事運などの解釈がまとめられており、つまりはいつでもどこでもパッと本を開けるだけで簡単に占いができるという工夫がされている。
そういう意味では、より手軽にタロット占いをしたい一般向けの本と言える。
ただ本という形態上、ページは固定され、使い込むうちにページのどの辺りにどんなカードがあるかイメージがついてしまうかもしれない。
これにヒントを得た僕は、タロットバイブルのカードに0〜156の数字を前から順番に振り、1枚のカードに2つの番号を振って、79番以降の数字が振られたカードは逆位置と解釈し、乱数生成される宝くじ用のアプリを使って、カードを使わなくても占えるようにしている。
複数枚カードを並べるような占いはカードを全体を眺められない以上難しいが、2、3枚なら結構読める。
もちろん、本来のタロットはカードを混ぜて占うべきだし、せっかく買ったカードも使いたいので(14デッキ所有w)あくまでカードが広げられない場合に使うつもりだ。
まさか6000字を超えるような内容をタロットで書くことになろうとは思わなかったが、初心者とは言え、もはや趣味の一つと言ってもおかしくない自分がおかしい。
日本語もおかしくなってきたので、今日はこの辺にしておこう。