買わない心理学を学ぶ
本屋さんをふらっと歩いていたら目についたシリーズ。
週に2、3回は書店に訪れる僕にそのタイトルは合っているのかとかツッこんではいけない。
懐かしい。
さて、本のデザインというのはとても大事だと思う。
どのような本もいずれは消えていくか、書棚に並ぶので背表紙のタイトルというのももちろん大事だけれど、こちらの本の装丁は、
かわいい。
さすがWebデザインに心理学を導入しているだけあります。
本を開くと見開き2ページに写真と共に簡潔な解説があります。
各タイトルもサブタイトルが秀逸で、後から読み返しても分かりやすくて内容がすぐに思い出せる。
例えば、
「アフォーダンス」のサブタイトルは「あなたはなぜその取っ手を回すのか」
ドアノブは説明がなくても無意識に回します。これは世界共通。ボタンがあれば押すのが人間。このようにモノの形状が経験を引き出すことをアフォーダンスという。
「ベビーフェイス効果」では、「赤ちゃんの破壊力は万国共通」とあります。
人は丸顔やぱっちりした目などに好感を持つということ。
これらは、以前紹介した
要点で学ぶ、デザインの法則150 ?Design Rule Index
- 作者: William Lidwell,Kritina Holden,Jill Butler
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2015/10/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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でも、載っていました。合わせて読むとさらに理解が進みます。
「返報性の原理ー情けは人のためならず」も言いえて妙です。もちろん、情けは人のためならずとは、よく指摘されるように、情けをかけるのはその人のためにならないという意味ではなくて、
情けをかけておくといずれ自分にプラスとなって返ってくるという意味ですが、返報性とは豪華なサンプルをもらうと買わないと悪いような気になるという原理です。
他にも「おとり効果」とは、
電子書籍版 500円
ハードカバー・フルカラー版 1200円
という選択肢があると、電子書籍版を選ぶ人が多いのに、
電子書籍版 500円
ハードカバー・フルカラー版 1200円
ハードカバー・フルカラー版・電子書籍DL付き 1300円
とあると今度は真ん中の選択肢がおとりとなり、逆に一番高い方がお得だと感じる効果です。
これも以前に紹介した
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダンアリエリー,Dan Ariely,熊谷淳子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/08/23
- メディア: 文庫
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に載っていた内容とかぶりますね。
アンカリング効果、ゴリラ実験、ジャムの選択なんかもよく目にする話。
「テンションリダクション」は、高い物を買った直後に安いオプションを一緒に買ってしまう効果。パソコンを買ったら、付属品に散財してしまうアレ。
「バンドワゴン効果」は行列に並ぶ心理。逆に「スノッブ効果」は人と同じ物は嫌というレア物が欲しくなるアレ。
「スリーパー効果」はどこで入手した情報か忘れたものが、いつしか自分の中で定着してしまうというもの。えっ?あの芸能人って死んでなかったんだという失礼なアレ。
「シャルパンティエ錯覚」は先入観。10kgの鉄と10kgの綿はどちらが重いというひっかけクイズに代表されます。
こういった誰もが身に覚えのある心理を巧みに販売へ結びつけましょうというのが趣旨。
でも、お客の立場から読めば冷静に買い物をする時にも使えると思います。
そういう意味でどの立場の人でも何かしら学ぶものがある素敵な本です。