ドラッカー
いつか読もうと思ってはいたけど、結構時間経っちゃったなシリーズ。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (新潮文庫)
- 作者: 岩崎夏海
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/11/28
- メディア: 文庫
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会話が多くて読みやすいので1時間くらいで読めた。
まぁ思った通りの本。
タイトルにあるように野球部のマネージャーになった女子高生が入院している友達のために弱小チームを甲子園に連れていこうと考える。
何かマネージャーに関する本は無いものかと店員に尋ねたら、
- 作者: ピーター・F・ドラッカー,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/12/14
- メディア: 単行本
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を紹介されると。
って、おい。
女子高生が起業するのか?って、ちょっと考えないかなとも思うのだけど、
そもそもこの本はマネージメントに出会った作者が感銘を受けて思いついたのだから、入門書的位置づけなので、そこはお約束。
だから、主人公のみなみちゃんも間違って買った事に気づきつつも、高い本だから読んでみようとハマる。
さらに本に書いてある事を半ば強引に読み替えて、野球チームにあてはめていくのだ。
ある意味、怖いぞこの子。
何か問題が起きると、みなみちゃんは得意顔で「マネジメントにはこうあるわ」と持ち出すのだ。
これはウザい。
例えば、僕が職場で議論をしている人に「D・カーネギーさんが『人を動かす』という世界的名著で言ってるんだけど、なるべく議論は避けて相手の誤りは指摘しない方がいいですよ」なんて言いだしたら、まぁ一回くらいはいいかもしれないけど、
「松下幸之助はねー」
「ナポレオンヒルはー」
たぶん僕が動かされるでしょう、どこかに。
あと、ここに出てくる人はみんないい人ばかりで、マネジメントの教え通りに話が進んでいきます。さらによくあるお涙展開も。
でも、作中で登場人物に語らせてるように、マネジメントという古典的名著を野球部に転化しようとした事が発明だと思います。
そして見事にビジネスとしても成功したので、作者自らマネジメントしたわけで。
今まで数えきれない人が読んできたはずなのに、こういうビジネスにつなげた人がいないところが偉大です。
もし八百屋のおばちゃんがマネジメントを読んだら、旦那にとにかく働けと言われDVを受けて離婚した、ではもう違う話ですもんね。